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2024年9月25日掲載

令和5年度 広島西医療センター 病院指標

令和5年度 広島西医療センター 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率

年齢階級別退院患者数
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年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 - 21 34 45 105 197 346 346 803 333

〔定義〕
一般病棟(急性期病棟150床)の退院患者数を、入院時の年齢で10歳刻みで集計しています。
ただし、90歳以上は一つの階級として設定しています。

※患者数が10人未満の場合は、- (ハイフン) で表示しています。


〔解説〕
当院は、広島西二次医療圏の中核病院として、地域医療支援病院、災害拠点病院、救急告示病院、へき地医療拠点病院、難病医療拠点病院等の指定医療機関であり、地域社会に必要とされる医療を提供しております。
「患者さんと共に」が当院の理念であり、高度な医療の提供は元より、地域に密着した良質で安全な医療の提供にも力を注いでいます。
当院の令和5年度の一般病棟退院患者数は2,826人で、70歳以上の患者さんが全体の約7割を占めています。

診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
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〔解説〕
当院は、令和5年度においてはDPC準備病院であり、Dファイルが作成できないため集計の対象外となります。

初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
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  初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 - - - 15 - 18 1 8,7
大腸癌 - - - 30 - 24 1 8,7
乳癌 - - - - - - 1 8,7
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - - - - 1 8,7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約

〔定義〕
5大癌(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)について、初発患者は国際対がん連合(UICC)のTNMから示される病期分類別、および再発患者に分けて集計しています。
患者数は延患者数となっており、複数回入院した場合は、その都度集計されています。

※患者数が10人未満の場合は、- (ハイフン) で表示しています。

〔解説〕
消化器癌を中⼼に 乳癌・甲状腺癌なども含めて、切除手術 および術前・術後の化学療法、切除不能進⾏癌・再発癌の化学療法・緩和医療を主に外科でおこなっています。患者さんの病状に応じて、⼩さな創の⼿術(鏡視下⼿術)も適宜取り⼊れています。肝臓癌については 主に肝臓内科で、各種治療を施行しており、肝切除手術を外科で施行しています。
特に大腸癌では、病気の状態により 腹腔鏡下手術も多く施行しています。
進行・再発癌の化学療法(抗癌剤治療)、免疫チェックポイント阻害薬による治療も、ガイドラインに準じて施⾏、終末期癌では、痛みのコントロールを含めた緩和医療をおこなっています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等
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  患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 45 19.87 80.11
重症 18 28.39 89.00
超重症 - - -
不明 - - -

〔定義〕
成人市中肺炎(病院外の日常生活で罹患した肺炎)について、重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計しています。
集計には、成人市中肺炎診療ガイドラインによる、A-DROPスコアを用い、軽症~超重症の4段階で表記しています。重症度分類の各因子が一つでも不明な場合は「不明」と分類しています。

※患者数が10人未満の場合は、- (ハイフン) で表示しています。

〔A-DROPスコア〕
A (年齢) : 男性70歳以上、女性75歳以上
D (脱水) : BUN 21mg/dl以上または脱水あり
R (経皮的動脈血酸素飽和度) : SpO2<=90%(PaO2 60Torr以下)
O (意識障害) : 意識障害あり
P (収縮期血圧) : 収縮期血圧90mmHg以下

※該当する項目が多いほど重症度が高くなります。

〔解説〕
令和5年度の成人市中肺炎の患者数は、重症度別にみると中等症が最も多く45人となっています。当院では高齢の方の入院が多くADLが低下し栄養状態が不良な場合、リハビリや栄養サポートを要し入院日数も長くなる傾向があります。介護施設や近隣の医療機関との連携も重要です。

脳梗塞の患者数等
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発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
- 34 31.09 77.88 52.94

〔定義〕
・脳梗塞の患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を、集計したものです。
・発症日から「3 日以内」「その他」に分けた数値を記載しています。「3 日以内」「その他」の両方または片方が10 件未満で、「3 日以内」と「その他」を合計して 10 件以上になる場合、分けずに合計した数値を記載します。

〔解説〕
令和5年度の脳梗塞での一般病棟退院患者数は34人となり、そのうち27人が発症から3日以内の入院となっています。
当院では、いわゆる血栓を溶かしたり、カテーテルで回収したりする治療はできないため、脳保護療法、再発予防、リハビリを軸に治療を行っています。
平均在院日数は約31日で、平均年齢は約78歳です。約53%の患者さんがリハビリテーション等を継続して行うため、回復期リハビリテーション病院等へ転院されています。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
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整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(肩甲骨、上腕、大腿) 58 2.84 25.97 60.34 82.03  
K0811 人工骨頭挿入術(肩、股) 38 2.92 29.79 78.95 86.11  
K0462 骨折観血的手術(前腕、下腿、手舟状骨) 19 1.47 29.79 31.58 65.11  
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単なもの) 19 1.05 38.84 0.00 65.63  
K0731 関節内骨折観血的手術(肩、股、膝、肘) 18 1.94 31.11 27.78 71.72  

〔定義〕
診療科別に手術件数の多い上位5術式について、患者数、平均術前・術後日数、転院率、平均年齢を集計しています。
令和5年度(2023年4月1日~2024年3月31日)に退院し、一般病棟にて医科保険が適用された患者さんが対象となります。入院期間中に複数の手術を行った場合は、主要な手術のみを集計しています。
※患者数が10人未満の場合は、- (ハイフン) で表示しています。

〔解説〕
1位は、大腿骨近位部骨折が最も多く、上腕骨骨折、肩甲骨骨折の手術も行っております。大腿骨近位部骨折は、高齢者の緊急入院が多くなっております。
2位は、大腿骨近位部骨折に対して、人工骨頭挿入術を行っております。
3位は、脛骨、腓骨の下腿の骨折や、橈骨、尺骨の前腕の骨折に対する手術を行っております。
4位は、肩腱板断裂は損傷に応じた低侵襲の関節鏡視下手術を行っており、その術式の一部です。
5位は、肩、股、膝、肘などの関節内骨折に対する手術を行っております。
 
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 119 0.21 1.32 0.00 68.32  
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル以上 11 0.45 2.91 0.00 69.00  
K6872 内視鏡的乳頭切開術(胆道砕石術を伴う) - - - - -  
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -  
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 - - - - -  

〔定義〕
診療科別に手術件数の多い上位5術式について、患者数、平均術前・術後日数、転院率、平均年齢を集計しています。
令和5年度(2023年4月1日~2024年3月31日)に退院し、一般病棟にて医科保険が適用された患者さんが対象となります。入院期間中に複数の手術を行った場合は、主要な手術のみを集計しています。
※患者数が10人未満の場合は、- (ハイフン) で表示しています。

〔解説〕
当科では患者さんの訴えをもとに内視鏡検査(いわゆるカメラ)を中心に、エコー(超音波)検査、X線CT検査、MRI検査などを必要に応じて行い、患者さんに最も適した治療を行ってまいります。
下部消化管の治療では、大腸ポリープ(良性腫瘍、早期癌など)に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)、炎症性腸疾患に対しては薬物治療のほかに、顆粒球吸着療法(GCAP)を行っています。
上部消化管の治療では、薬剤治療、腫瘍やポリープに対する内視鏡的切除(EMR, ESD)、ピロリ菌に対する治療(除菌治療)、狭くなった胃腸に対する拡張術・ステント留置術、出血に対する内視鏡的止血術、口から食事が摂れなくなった方に対する胃瘻造設(PEG)、など行っています。
胆道・膵臓の治療では、炎症に対する保存的治療(絶食・点滴・抗生剤投与など)、内視鏡を使って総胆管結石を総胆管から腸内へ引っ張り出す治療(内視鏡的乳頭切開→内視鏡的総胆管結石砕石術)胆管癌や膵癌などによって狭くなった胆管に対するステント留置術を行っています。
腸閉塞に対し経鼻内視鏡を用いたイレウス管留置や大腸内視鏡を用いた経口肛門的イレウス留置等も行っています。
※内視鏡的乳頭切開術(K6872)や、内視鏡的消化管止血術(K654)については、他科の依頼により行うことが多いため、実際には10件以上行っています。
 
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 40 3.65 8.73 2.50 75.53  
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 36 1.36 4.53 0.00 59.94  
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 18 1.61 5.50 0.00 64.00  
K841-6 経尿道的前立腺吊上術 14 5.86 6.64 0.00 80.43  
K841-21 経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術 1 ホルミウムレーザー又は倍周波レーザーを用いるもの 13 1.85 9.54 0.00 76.15  

〔定義〕
診療科別に手術件数の多い上位5術式について、患者数、平均術前・術後日数、転院率、平均年齢を集計しています。
令和5年度(2023年4月1日~2024年3月31日)に退院し、一般病棟にて医科保険が適用された患者さんが対象となります。入院期間中に複数の手術を行った場合は、主要な手術のみを集計しています。
※患者数が10人未満の場合は、- (ハイフン) で表示しています。

〔解説〕
泌尿器科では尿路上皮癌(膀胱癌、尿管癌、腎盂癌)、腎細胞癌、前立腺癌、精巣癌などの悪性腫瘍の外科的治療として身体への侵襲の小さい経尿道的手術、腹腔鏡手術を主に行っています。尿路結石症(腎結石、尿管結石、膀胱結石)に対してはレーザーを用いた経尿道的尿路結石砕石術や体外衝撃波結石破砕術を行っており、いわゆる開腹手術は極めてまれです。薬物療法で効果不十分な排尿障害を来した前立腺肥大症には病態に応じて経尿道的前立腺吊上げ術、経尿道的レーザー核出術(HoLEP)、前立腺水蒸気治療を積極的に実施しております。
 
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 22 1.59 9.59 4.55 72.18  
K6335 鼠径ヘルニア手術 19 3.32 5.37 0.00 78.58  
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 11 1.00 3.36 0.00 69.00  
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) - - - - -  
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) - - - - -  

〔定義〕
診療科別に手術件数の多い上位5術式について、患者数、平均術前・術後日数、転院率、平均年齢を集計しています。
令和5年度(2023年4月1日~2024年3月31日)に退院し、一般病棟にて医科保険が適用された患者さんが対象となります。入院期間中に複数の手術を行った場合は、主要な手術のみを集計しています。
※患者数が10人未満の場合は、- (ハイフン) で表示しています。

〔解説〕
計4人の医師が、外科医療チームとして、外来診療、手術および術前術後管理等の入院診療に携わっています。
・腹部臓器(胃・小腸・大腸・肝臓・胆嚢・膵臓など)の悪性腫瘍手術、甲状腺・乳腺・肺の腫瘍の外科的治療、これらの臓器における良性の病気や、ヘルニア(脱腸)、虫垂炎、痔、下肢の静脈瘤など多岐にわたる手術をおこなっています。患者さんの病状に応じて、小さな創(きず)の手術(内視鏡手術)も取り入れています。直接の担当医(主治医)を中心に、外科のメンバーだけではなく、他科のドクターとも話し合い(症例検討会)を行い、チームとして患者の治療にあたっています。
・学会、研修会等勉強会に出席し、up to dateな情報・治療方法を取り入れています。その上で患者さん、ご家族との話し合いを重視し、十分な説明の上で(インフォームド・コンセント)納得、希望される治療法を選択します。 大学病院・近隣の病院とも連携しながら、それぞれの患者さんに最適な治療法を提示することをめざしています。
 
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 30 10.30 17.97 0.00 77.43  
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) - - - - -  
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) - - - - -  
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) - - - - -  
K6261 リンパ節摘出術(長径3cm未満) - - - - -  

〔定義〕
診療科別に手術件数の多い上位5術式について、患者数、平均術前・術後日数、転院率、平均年齢を集計しています。
令和5年度(2023年4月1日~2024年3月31日)に退院し、一般病棟にて医科保険が適用された患者さんが対象となります。入院期間中に複数の手術を行った場合は、主要な手術のみを集計しています。
※患者数が10人未満の場合は、- (ハイフン) で表示しています。

〔解説〕
1位は、抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他)となっています。これは埋め込み型中心静脈カテーテル(CVポート)を皮下に留置することで、血液悪性腫瘍の患者では安全に繰り返し抗悪性腫瘍剤の点滴が行えるようになります。末梢血管からの点滴が難しくなった方にも有用で、外来化学療法でも使用できます。その他の入院治療時にあわせて造設することが多いので、術前術後日数は本処置とは関連ありません。

その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
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DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる - -
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -

〔定義〕
医療資源を最も投入した傷病名が播種性血管内凝固症候群、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症の症例について、入院するきっかけとなった病名と「同一」か「異なる」かによって分類し、その発生率を集計しています。

※令和5年度は全ての項目で患者数が10人未満のため、- (ハイフン) で表示しています。
 
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
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肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
284 249 87.68

〔定義〕
分母:肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院患者数
分子:分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策を実施した患者数

※リスクレベルが「中」以上の手術は、「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン(2017 年改訂版)」(日本循環器学会等)に準じて抽出しています。
肺血栓塞栓症の予防対策の実施は、肺血栓塞栓症予防管理料の算定があった患者と、抗凝固療法が行われた患者を抽出しています。

〔解説〕
肺血栓塞栓症は、主に下肢の深部にできた血栓(深部静脈血栓症)が剥がれ、血流によって肺動脈に運ばれることで閉塞を引き起こす疾患です。太い血管が閉塞する重篤例では、肺の血流が途絶して死に至ることもあります。深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症の発症に至る前に、発症の危険レベルに応じた予防対策の実施が推奨されています。
予防方法としては、静脈還流を促すために弾性ストッキング着用や間歇的空気圧迫装置(足底部や大腿部にカフを装着して空気により圧迫)の使用、抗凝固療法があります。肺血栓塞栓症の予防法の実施は、肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」「高」である手術を施行された患者さんが対象となります。
当院では、肺血栓塞栓症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者さんの約88%に肺血栓塞栓症の予防対策を実施しています。
 

【参考】 国立病院機構 臨床評価指標 Ver.5 2022年度データ
https://nho.hosp.go.jp/treatment/treatment_rinsyo.html

血液培養2セット実施率
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血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
1385 1257 90.76

〔定義〕
分母:入院中の患者に対して細菌培養同定検査(血液)を実施した合計日数
分子:分母のうち、当該実施回数が1日に2件以上ある日数

〔解説〕
血液培養検査では、検査精度を高めるために原則として2セット以上(=合計4本:好気ボトル2本、嫌気ボトル2本)の検体採取が必要です。血液培養は1セットのみだと菌血症の約30%を見逃すと言われており、2セット採取が基本となっています。1本ではなく1セットと呼ぶのは,好気ボトルと嫌気ボトル2本で 1セットと数えるからです。さらに感染性心内膜炎を疑う場合には3セット以上が必要になります。
当院では、血液培養検査を実施した患者さんの約90%に2セット以上の検体採取を実施しています。
 
【参考】 国立病院機構 臨床評価指標 Ver.5 2022年度データ
https://nho.hosp.go.jp/treatment/treatment_rinsyo.html
 
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
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広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
455 370 81.32

〔定義〕
分母:広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数
分子:分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数

※広域スペクトルの抗菌薬は、ピペラシリン、カルバペネム系、第4世代セフェム系の薬剤が投与された患者を抽出しています。

〔解説〕
近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌種に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題となっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、各医療機関において抗菌薬適正使用支援チーム(Antimicrobial Stewardship Team: AST)を組織するなど、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。
当院では、広域スペクトルの抗菌薬が処方された患者さんの約81%に抗菌薬投与前の細菌培養同定検査を実施しています。また、毎週1回、ASTメンバーで感染症治療について協議、抗菌薬使用状況の助言を実施しています。
 

【参考】 国立病院機構 臨床評価指標 Ver.5 2022年度データ
https://nho.hosp.go.jp/treatment/treatment_rinsyo.html
 

更新履歴
令和5年9月14日
令和4年度 データを公開しました。 こちら
令和6年9月20日
令和5年度 データを公開しました。