令和8年4月1日付で国立病院機構広島西医療センター院長を拝命いたしました、鳥居剛でございます。
私は脳神経内科医として30年以上、患者さんと向き合ってきました。この大竹の地で、忘れられない経験があります。それは平成17年、国立病院機構大竹病院と原病院の統合移転に移転計画から実施まで携わったときのことです。廿日市市の原病院で長年にわたり療養されてきた患者さんたちを、新しい環境へ無事にお連れするまでの緊張と責任感は、患者さんの安全を守る、という私の原点であり続けています。さらに初期研修医をはじめとする医学教育もいつしかライフワークとなり、現在に至ります。
また、新型コロナの感染拡大期には国立病院機構本部での勤務を通じて、医療が社会の危機にどう応えるべきかを改めて考えさせられました。こうした経験の積み重ねが、今の私をつくっています。令和4年にご縁をいただき副院長として着任して以来、統合によって生まれたこの病院の強みをさらに伸ばしていきたいと、日々感じていました。
当院は、急性期と慢性期という二つの顔を持っています。急性期では、大竹市をはじめ広島県西部・岩国市・和木町という広い地域から、特に高齢者の緊急搬送を24時間お受けしています。血液がん・神経筋難病・人工透析・整形外科・消化器疾患など、専門性の高い医療も提供しています。慢性期では、重症心身障害児者や神経筋難病を抱える方々など、一般の病院では対応が難しい患者さんの長期療養を支えています。国の政策医療としての使命として、患者さんとご家族が安心して過ごせる環境を守り続けることが私たちの責務です。
急性期・慢性期を問わず、私が大切にしたいのは「その人を丸ごと診る」という姿勢です。病気だけを治すのではなく、その方の暮らし・不安・願いに寄り添うことが私の考える医療です。
病気や不安を抱えてこの病院を訪れる方に、「この病院でよかった」と感じていただける医療を届けることが私の院長としての約束です。地域の皆さんにとって、いざというときに頼れる場所であり続けられるよう、職員一同とともに全力を尽くしてまいります。皆様のご支援と、率直なご意見をどうかよろしくお願い申し上げます。
令和8年4月1日
国立病院機構広島西医療センター 院長 鳥居 剛