泌尿器科このページを印刷する - 泌尿器科

スタッフ

診療部長

安本 博晃

  • 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
  • 日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医
  • 日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器ロボット支援手術プロテクター認定
  • 臨床研修指導医
統括診療部長 淺野 耕助
  • 日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
  • 日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医
  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
  • 臨床研修指導医

医師

坂本 勇樹

  • 泌尿器科医師

概要

泌尿器科専門医2名を含む常勤医3名と広島大学からの非常勤医師2名(週2日)の体制で診療を行っています。前立腺・腎・尿管・膀胱・精巣などの泌尿器悪性腫瘍(がん)全般に対する手術療法、薬物療法、および尿路感染症、排尿障害(排尿困難・頻尿など)や尿路結石に対する治療に実績があり、広島県⻄部から山口県東部の広い範囲から患者さんが受診しています。

対象疾患

尿路ならびに男性性器全般にわたる疾患が対象で、悪性疾患(前立腺がん、膀胱・腎盂・尿管がん、腎がん、精巣腫瘍)、良性疾患(前立腺肥大症、包茎、尿失禁、過活動膀胱)、尿路結石症(腎結石・尿管結石・膀胱結石)、尿路感染症(腎盂腎炎・膀胱炎、前立腺炎、精巣上体炎、尿道炎)を対象としています。治療方針は症例毎に検討し、患者毎に最適な治療法を患者さんと相談しながら選択していきます。ゲノム診断により患者さんにさらなる治療の可能性がある場合には積極的にがんゲノム医療拠点病院と連携しています

治療の特徴

1)腎がん・腎盂尿管がん

外科的治療は主に腹腔鏡手術を実施しています。薬物療法は最新の標準治療が全て実施できる体制を整えており、腎がんではがん免疫療法とチロシンキナーゼ阻害薬との併用療法、腎盂尿管がんでは従来の抗がん化学療法に加えてがん免疫療法の2剤、エンホルツマブベドチン(バドセブ TM)を用いた化学療法も実施しています。

2)膀胱がん

痛みのない血尿などで発症する膀胱がんに対して、まず経尿道的切除術を行います。病理診断で 悪性度が低く浸潤のないものは経過観察とし、悪性度の高い表在性のがんや、上皮内がんでは積極的にBCG膀胱内注入療法を施行し膀胱温存をはかります。悪性度が高く浸潤のあるものに対しては抗がん化学療法と腹腔鏡下膀胱全摘出術・尿路変更術を組み合わせて集学的に治療しています。

3)前立腺がん

新たに診断された前立腺がんの患者さんでは、最新のガイドラインに沿ったリスク評価を行い、待機療法 (Active surveillance)、根治治療 (腹腔鏡下前立腺全摘除術)、放射線治療、薬物療法(アンドロゲン除去療法、新規抗アンドロゲン剤、抗がん剤治療)のいずれかを適確に選択します。放射線治療が適していると判断した場合は広島がん高精度放射線治療センター (HIPRAC)、JA広島総合病院などと連携して治療を進めます。治療抵抗性となった場合は他の新規抗アンドロゲン剤や抗がん剤 (ドセタキセル、カバジタキセル)治療を導入し、ゲノム診断の後、適応があればさらに 最新の治療薬を選択できます。これらの治療では緩和療法も併用して、薬の副作用やがんの進行による苦痛を抑えて、質の高い生活を送れることを重視します。

4)前立腺肥大症(下部尿路閉塞)

高齢化に伴い前立腺肥大症のため排尿障害を有する患者さんが増加しています。薬物療法では効果が不十分で腺腫が大きい場合はホルミウムヤグレーザーを用いた経尿道的前立腺核出術 (HoLEP)を実施します。ご高齢で合併症があり手術リスクの高い患者さんに対して、令和4年度から保険適用になった経尿道的前立腺吊上げ術 (ウロリフトTM)と前立腺水蒸気治療 (REZUM TM)の2術式を導入し、体に負担の少ない手術を選択できるようになりました。

5)尿路結石症

尿路結石症は増加傾向にある疾患で、また再発率が高いことも特徴です。強い痛みを伴い、感染を併発すると高度の発熱を起こします。小さな結石であれば自然排石を促し、自然排石が困難な場合や大きな結石であれば、尿管ファイバースコープを用いた経尿道的レーザー砕石術 (TUL)あるいは体外衝撃波砕石術 (ESWL)で治療を行っています。

6)過活動膀胱

尿意切迫を伴う頻尿で、日常生活に支障をきたす過活動膀胱の治療は従来生活指導、薬物療法を主体としていましたが、薬の効果がなく失禁を伴う難治性過活動膀胱に対してはボツリヌス毒素(ボトックスTM)膀胱壁内注入療法を行っています。

7)尿失禁

前立腺がん術後尿失禁に対し、人工尿道括約筋植込み術を実施しています。有効性が高く患者さんの満足度の高い治療法です。

年間治療実績

外来患者数 8,851人 (1日平均 36.5人)
入院患者数  333人 (1日平均 11.0人)、平均在院日数 12.9日

令和3~5年度の手術実績 (512件)

腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術
(腎部分切除術2件含む)

9件

体外衝撃波尿路結石砕石術

37件

腹腔鏡下腎尿管全摘除術

8件

経尿道的前立腺レーザー核出術

12件

腹腔鏡下膀胱悪性腫瘍手術

8件

前立腺水蒸気治療(REZUM)

8件

腹腔鏡下前立腺全摘除術

20件

経尿道的前立腺吊上げ術(ウロリフト)

12件

経尿道的膀胱悪性腫瘍手術 131件 ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法 6件

人工尿道括約筋植込み術

1件

陰嚢水腫手術

2件

経尿道的尿路結石除去術(レーザー)

106件

高位精巣摘除術

5件

経尿道的膀胱結石除去術)

18件

その他

129件