脳神経内科このページを印刷する - 脳神経内科

脳神経内科紹介

脳神経内科は、脳、脊髄、末梢神経、筋肉の病気を専門とする診療科です。
一般的に多い病気は、頭痛、脳血管障害、認知症、てんかん、末梢神経障害などです。
症状は、しびれ、脱力、歩きにくい、ふらつく、つっぱる、ひきつけ、むせ、しゃべりにくい、頭痛、かってに手足や体が動いてしまう、ものわすれなどです。

主な対象疾患

            

血管障害

脳卒中

神経変性疾患

パーキンソン病
パーキンソン類縁疾患
筋萎縮性側索硬化症
脊髄小脳変性症

神経免疫性疾患

多発性硬化症
視神経脊髄炎
慢性炎症性脱随性多発神経炎
重症筋無力症

認知症疾患

アルツハイマー型認知症
レビー小体型認知症
血管性認知症
クロイツフェルト・ヤコブ病

筋疾患

筋ジストロフィー
多発筋炎
代謝性筋症

末梢神経疾患

糖尿病性ニューロパチー
遺伝性ニューロパチー
ギランバレー症候群
慢性炎症性脱髄性多発神経炎

機能性疾患

頭痛
てんかん
顔面痙攣
睡眠障害

診療実績

2022年度 患者数

外来新患

414名

再診察

6,380名

入院

282名

 

脳卒中

72名

認知症性疾患

44名

てんかん

37名

免疫関連性中枢神経疾患

28名

神経感染症、脳症

29名

中毒性神経疾患 39名
神経変性疾患 17名
筋萎縮性側索硬化症 19名
パーキンソン病とその関連疾患 80名
脊髄小脳変性症・多系統萎縮症 30名
末梢神経疾患 16名
筋疾患 18名
その他 214名

2022年度 検査件数

検査項目

実施検査件数

MRI

536

頭部CT

133

RI(脳血流、DATスキャン、MIBGシンチ)

139

脳波

72

末梢神経伝導検査 反復刺激 115
誘発脳波 22
筋電図 16
PSG 26
心理検査 313

施設認定など

日本神経学会認定教育施設
日本認知症学会教育施設
日本神経病理学会神経病理準教育施設
 
広島県分野別難病拠点病院

診療の体制

一般病棟 約25床で脳神経内科対象疾患の検査、治療のための入院を受け入れています。
障害者総合支援法に基づく療養介護病棟120床で筋ジストロフィー・神経難病患者さんが長期療養し、
適切な医療と療養介護サービスを提供しています。
 

副院長

鳥居 剛
  • 日本神経学会 神経内科専門医
  • 日本神経学会 指導医
  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本頭痛学会 頭痛専門医
  • 日本頭痛学会 指導医
  • 日本認知症学会 専門医
  • 日本認知症学会 指導医
  • 日本脳卒中学会 脳卒中専門医
  • 日本脳卒中学会 指導医
  • 日本プライマリ・ケア連合学会 認定指導医

部長

渡邉 千種

  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本神経学会 神経内科専門医
  • 日本神経学会 指導医
  • 日本認知症学会 専門医
  • 日本認知症学会 指導医
  • 日本神経病理学会 指導医・認定医

医長

牧野 恭子

  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本神経学会 神経内科専門医
  • 日本神経学会 指導医
  • 日本臨床神経生理学会 専門医
  • 日本臨床神経整理学会 指導医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 臨床研修指導医

医長

檜垣 雅裕

  • 脳神経内科医師

医長

黒田 龍

  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本内科学会 認定内科医
  • 日本神経学会 神経内科専門医
  • 日本神経学会 指導医
  • 日本老年医学会 老年科専門医
  • 日本頭痛学会  頭痛専門医
  • 日本認知症学会 専門医
  • 日本認知症学会 指導医
  • 日本脳卒中学会 脳卒中専門医
  • 臨床研修指導医

医師

伊藤 沙希

  • 脳神経内科医師

検査・治療

画像検査

MRI、脳血流SPECT、DATスキャン、心筋シンチグラフィー検査を行い
、認知症、神経変性疾患の診断に役立てています。

 
  

電気生理学的検査

筋萎縮症、ミオパチー、末梢神経障害の診断に筋電図、末梢神経伝導検査を行っています。
また、多発性硬化症などの中枢神経病変部位診断や機能評価に各種誘発脳波検査を行っています。
終夜脳波ポリグラフィーで睡眠時無呼吸症候群の検査を行っています。




また、超音波検査での神経・筋の評価も行っています。

筋生検

筋ジストロフィー、多発性筋炎、ミトコンドリア筋症などの病理学的診断を行っております。

ボツリヌス治療

眼瞼痙攣、顔面痙攣、書痙に対し、ボツリヌス療法を行っています。

連続経頭蓋磁気刺激治療

パーキンソン病、脊髄小脳変性症の運動障害に対し連続経頭蓋磁気刺激治療を行っております。

診療の特徴

神経難病医療に取り組んでいます。

2005年の当センター開設時から、神経難病患者さんに医療を提供してきました。
難病とは、病気の原因が明らかでなく、治療方法が確立していない希な疾病で、
長期の療養を必要とする、とされています。
その中で、患者数が概ね人口の0.1%未満で客観的な診断基準が確立している疾患を
指定難病として医療費助成の対象とされています。
具体的には、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、パーキンソン病、進行性核上性麻痺、皮質基底核変性症、多系統萎縮症、多発性硬化症、重症筋無力症、筋ジストロフィーなどです。

レスパイト入院

神経難病の患者さんは、胃ろうや気管切開、人工呼吸器を使用している患者さんが少なくありません。
医療・介護を必要とする患者さんの在宅療養においては、介護者の身体的負担、精神的負担の軽減を支援していくことが大切です。
特に医療・介護の必要度の高い患者さんにはレスパイト入院をお勧めしています。
当院では2005年からレスパイト入院事業を継続し、人工呼吸器使用の患者さんの受け入れを行っています。
 
              神経難病・筋疾患患者レスパイト入院数



移動は大変ですが、災害避難時の練習と捉えることもできます。
豪雨や大台風が予想されるときの入院も受け入れています。

お問合せ窓口:地域連携室

パーキンソン病のリハビリ入院

パーキンソン病とは、手足が振るえる、動作がゆっくりとなる、筋肉が硬くなる、バランスが悪く転びやすくなる、を主な症状とする病気です。
治療は、新しい薬やデバイス補助療法が使用可能となり、患者さんに応じた治療の選択肢が広がっています。
薬物治療とあわせてリハビリテーションの重要性が注目されています。
リハビリテーションを毎日行うことで、発症から長く経過しても、移動、食事、入浴などの日常生活動作で介助を必要とすることが少なくなると期待されています。

当科では入院中に薬剤調整と合わせて集中的なリハビリを行い、運動機能や日常生活能力の向上を目的としたリハビリ入院を実施しています。
身体機能だけでなく栄養や睡眠など、多職種で協力し問題を解決し良い状態を維持できるよう支援しています。
パーキンソン病のような症状のあるパーキンソン病類縁疾患(皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺など)、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症の患者さんも対象です。


お問合せ窓口:脳神経内科外来、地域連携室

難病相談

難病の患者さんは、病気のこと、生活のこと、様々な不安・心配事を抱えていることがあります。
また、コロナ禍で受診やリハビリを控えていた患者さんも多いと思われます。
このような在宅の難病患者さんの不安・心配事を少しでも解消し安心して療養してもらうため、2021年から難病電話相談を行っています。
病気について聞きたいこと、治療や薬について知りたいこと、リハビリの方法や生活での工夫、社会資源の利用方法など、脳神経内科医師、看護師、理学療法士、薬剤師などがお答えします。
HPでもご相談を受け付けていますので、ぜひお気軽にご利用ください。


お問合せ窓口:地域連携室

筋ジストロフィー医療に取り組んでいます。

筋ジストロフィーとは、筋肉の働きに必要な遺伝子に変異が生じ、
そのため筋肉の細胞が正常に働かなくなり、病理的には骨格筋の壊死 ・再生を主病変とする進行性の疾患です。
治療の進歩は目覚ましく、ジストロフィノパチーのエクソンスキッピング治療のように、病気の原因に対する治療が行われるようになりました。
また、呼吸管理、心筋保護治療の知見の蓄積により生命予後が大きく改善しています。

当センター前身の国立病院機構原病院から筋ジストロフィー医療に取り組んでいます。
現在、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、ベッカー型筋ジストロフィー、福山型先天性筋ジストロフィー、筋強直性ジストロフィー、肢帯型筋ジストロフィーなど約80名の患者さんが入院療養されています。
変形・拘縮予防、呼吸機能、嚥下機能に特化したリハビリテーションを行っています。
心筋症は、筋ジストロフィー専門循環器医が診療いたします。
栄養管理、口腔ケアなど多職種と連携し、療養サービスを提供し、
生活の質の向上に取り組んでいます。

認知症診療に取り組んでいます。

当科では、約20年前よりもの忘れ外来を行っています。
軽度認知障害、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭葉変性症、血管性認知症などの診療を行なっています。
もの忘れ外来では、問診(ご本人、ご家族)、診察、血液検査、心理検査、画像検査を行います。
病気の診断、重症度の内容や程度を評価して薬物治療、非薬物治療、生活面での対応など相談していきます。
新しい治療の情報提供や治臨床治験のご相談も承っております。

認知症は早くみつけて早く対応することが大切です。
身近な方が、同じことばかり聞く、置き忘れがめだつ、料理や買い物をしなくなった、以前はあった興味や関心がなくなったといった症状があるときには一度ご相談ください。
また、家庭での様子、気になることを診察前に問診表に記載いただくことは大変参考になります。