小児科 / 小児心身症外来このページを印刷する - 小児科 / 小児心身症外来

スタッフ

医長 湊崎 和範
  • 日本小児科学会 小児科専門医
  • 子どものこころ専門医機構 こどものこころ専門医
心理士 花本 美代  

目標

  1. 子どもの心と身体に関連した様々な問題(不登校・心身症・神経症等)に対する相談・診療
  2. 子どもが目標をもって課題に取り組み、夢や希望を持って生きていくための子ども・家族へのサポート
  3. 学校や相談機関等との連携

対象疾患

不登校、心身症(起立性調節障害、過敏性腸症候群、摂食障害、チック等)、抑うつ状態、小児神経症等

診療内容

心身症、神経症、うつ病等の診断

医師による診断面接
心理士による心理検査(WISC-Ⅳ・K-ABC-Ⅱなどの知能検査、新版K式発達検査等)
血液検査、尿・便検査、脳波検査、X線検査、CT/MRI検査等の検査

不登校・心身症等のカウンセリング

不登校・心身症等の子どもさんへのカウンセリング、親御さんとの面談

薬物治療

身体疾患、不安、不眠、てんかんや行動の問題などに対して、必要時に薬物療法

学校や相談機関等との連携

学校・教育機関・療育機関等との連携、他の医療機関への紹介

患者さんへのお願い

この外来は、不登校、拒食症・過食症などの摂食障害、起立性調節障害、過敏性腸症候群、過換気発作、ヒステリー、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、夜尿症、チック、吃音、心因性緘黙症などの心身症、小児神経症、抑うつ状態、少年少女非行等の、学校や家庭などで身体的・心理的にしんどい子どもを対象としています。

診療は小児科医1名と心理士1名で行っています。

この外来は完全予約制で、前もって電話などでの予約が必要です。初診は40~60分、再診20~30分です。

電話予約の時間帯は、午前8時30分~8時55分(初診・再診)・12時10分~12時25分(再診のみ)に限らせていただいております。予約の電話は、小児科 湊崎が対応します。病院代表番号(0827-57-7151)にお掛けください。

子育てに失敗はない

不登校児は年々増加し、中学生では全国で10万人を超えています。最近は、少年犯罪の低年齢化・凶悪化などが大きな話題となり、子どもの些細な反発で子育てに失敗したとか、犯罪を起こすのではと心配されている方もいらっしゃるように思います。また、不登校状態からこのまま引きこもってしまうのではないかと、心配されている親御さんも多いように思います。戦後半世紀を経て、社会も学校も家庭も、そのシステム自体に歪みが生じてきているのかも知れません。
しかし...
☆ There is no such thing as failure , only feedback.「失敗はない、そこには学びがある。」
子育てに失敗はありません。子ども達は様々な問題を通して多くのことを学んでいるように思います。そして、その親や周囲にも多くのことを気づかせてくれているように思います。

例えば不登校は、様々な身体症状・学力低下・引きこもり・暴力・怠学・非行などの問題行動などの一見悪い一面ばかり見られているように思います。しかし学力低下を除き、これらのほとんどは、不登校という行動と直接結びついているのではないようです。子どもと家庭・学校との間での気持ちの行き違いによって、周囲は良いことをしているつもりでも子どもを追いつめて、様々な二次的問題を生じているような気がします。治療の過程でそれらの問題は、思ったよりも簡単に解決してしまうことが多いのです。治療を終えた家族の多くが、子どもの不登校を振り返りプラスに受けとめています。「今、子どもが、サインを出してくれて良かった」「子どもが教えてくれた」と。子どもの将来を狭くとらえ、夢のない人生を強いているのは私たちであるという事を不登校児は、身を持って教えてくれることがあります。

全日制の高校に入らなくても、高校を中退しても、就職や大検、定時制・通信制高校などを活用し、自分なりに自分の人生を歩み始めた子どもたちを見るにつけそう思います。

今、本当に対応が必要なのは、不登校になったり問題行動を起こしたりなどせずに、自分の中に問題を抱えていても気がつかずに過ごしている子どもたちなのかも知れません。不登校も、問題行動もある意味では子どもの一つの意思表示です。もっとその意思表示に十分に応えうる大人社会の実現が必要なのではないでしょうか。